お布施の包み方、渡すタイミングの5つのポイント
お布施(おふせ)とは、僧侶へお渡しするお礼のお金のことをいいます。
あくまでもお礼であって、読経や戒名をつけたことへの対価ではないので、読経代や戒名代とはいいません。身内の葬儀や法要の際に、僧侶へのお布施が必要になり、慌てた経験がある方も多いのではないでしょうか。今回はそんなお布施について詳しくご説明します。
- 1.奉書紙ってなに?水引はいるの?
- 2.表書きはどうやって書けばいいの?
- 3.お布施を渡すタイミングがわからない!
このように悩んでいる方は、最後まで読んでいただければ疑問が解消できます
お布施を渡す前の準備
僧侶へお布施を渡すことになったら、直前になって慌てることがないよう、しっかり準備していきましょう。
お布施の包み方
お布施を包む方法には、半紙に包んだものを奉書紙で包む方法か、白い封筒に入れる方法の2種類があります。
奉書紙を使う包み方
お布施の包み方では、奉書紙を使用する包み方が丁寧でよいとされています。奉書紙とは、しわのない上質な和紙のことをいいます。100円ショップや文具店、インターネットでも購入することができます。奉書紙には裏表があり、書道で使う半紙と同じで、つるつるしている方が表面です。奉書紙を使用してお布施を包む際には、まず半紙にお札を包みます。この状態のものを「中包み」といい、あらかじめ封筒状になっている「中袋」にお札を入れることで代用もできます。どちらが丁寧というきまりもないので、用意しやすい方を選ぶようにしましょう。用意した中包み(または中袋)を奉書紙で包むことで完成です。ちなみに、中包みを奉書紙で包んだものを、「上包み」と呼びます。上包みを折る時は、慶事の折り方をします。お布施は僧侶にお渡しするお礼で、不祝儀ではないからです。
白い封筒を使う包み方
準備する時間がなく奉書紙が用意できないときには、市販の白い封筒を使用することもできます。このとき用意する封筒は、郵便番号欄が印刷されていない無地の封筒を選びましょう。封筒にあらかじめ「お布施」と印字されているものも使用可能です。二重の封筒を使用すると「不幸が二度起こる」と連想させるので、好ましくないとされています。中が見えないようにと二重の封筒を使ってしまいがちですが、ここでは一重の白封筒を使うのが正解です。
お布施を包む際の水引
お布施を包む際の水引は、ない方が丁寧であるとされています。 ただし、地域によっては水引をつける風習があるところもあるので、事前に確認をするようにしてください。
お布施の表書きの書き方
次に、お布施の表書きの書き方についてご紹介します。
表書きに使用する筆記具
お布施の表書きに使用する筆記具は、筆ペンが一般的です。お布施は弔事ではないため、薄墨ではなく、普通の黒墨を使います。筆ペンが用意できない場合は、サインペンでも代用可能です。
お布施の表書き
お布施を奉書紙で包む場合でも、白い封筒に入れた場合でも、同じように上包みに表書きをします。上包みの表面・上の方に「御布施」「お布施」と書きます。表書きに名前も書く場合は「お布施」と書いた下にフルネームまたは、「○○家」のように書き入れます。なお、お布施の表書きは何も書かなくてもよいとされていますので、白紙のまま渡しても問題ありません。
中包みや中袋がある場合の表書き
中包みや中袋がある場合は、まず中包み(中袋)の裏面の左側に、住所と氏名を書き入れます。次に、中包み(中袋)の表面の中心に金額を書きます。このとき、金額の頭に「金」と書き、数字は旧字体の漢数字を使うことが丁寧とされており、改ざんを防ぐ意味もあるので、忘れずに対応しましょう。
お布施のお札の入れ方
お布施にはお札の入れる向きにもマナーがあります。中袋の場合、封筒の表が上になるように持ち、お札の向きは人物が描かれた面を上に、肖像画が最後に封筒に入る向きで入れましょう。中包みの場合は、上包みに包む際に、肖像画が上にくる向きで包みます。用意するお札は、必ずしも新札である必要はありませんが、ボロボロのお札は避け、できるだけきれいなお札を使用するようにしましょう。
お布施を渡すときのポイント
お布施の準備ができたら、いよいよお布施を渡します。
お布施を渡すタイミング
お布施を僧侶にお渡しするタイミングは、合同法要か個人の葬儀かによって変わってきます。
合同法要の場合
合同法要の場合、お寺の入り口に受付が用意されていることがあり、受付の方にお布施をお渡ししますが、受付がない場合は僧侶に直接渡します。法要が始まる前に声をかける時間がある場合にはそのタイミングで渡し、忙しそうであれば無理に引きとめることはせず、法要後、お礼のあいさつをするタイミングでお布施を渡します。
個人の葬儀の場合
個人の葬儀の場合は、葬儀が始まる前にあいさつをするタイミングでお布施を渡すことが多いです。葬儀社の担当者がタイミングを見て声をかけてくれます。会葬者の対応などで時間がない場合は、式が終わってからでも問題ありません。どちらの場合でも、「本日はありがとうございます」のようにひと言添えながら渡すようにしましょう。
お布施の渡し方
お布施を渡す時は、直接手渡しするのではなく、お盆にのせる方法が好ましいとされています。切手盆や祝儀盆と呼ばれる黒いお盆を使用します。手元にお盆がない場合、葬儀社が用意してくれることもあるので、前もって相談してみましょう。どうしてもお盆が用意できない場合は、袱紗を使用します。あらかじめお布施を袱紗で包んでいるものを、僧侶の前で開き、袱紗の上にお布施をのせて渡します。
お布施の包み方、渡すタイミングの5つのポイントのまとめ
今回はお布施について、以下のような内容をお伝えしました。
- 1.お布施を包む際は、奉書紙を使用するのが丁寧とされている。
- 2.白封筒を使う場合は、無地のものを選ぶ。
- 3.表書きを書く筆記具は、黒墨の筆ペンを使用する。
- 4.お布施を渡すタイミングは、僧侶に配慮したタイミングで。
- 5.お布施は手渡しではなく、お盆にのせて渡す。
なお、お布施はお礼の気持ちで渡すものなので、金額にきまりはありません。お寺によって考え方も違うことがあるので、わからなければ直接聞いてみましょう。お布施を用意するタイミング
お布施のご案内
お布施の包み方
お布施(おふせ)とは、僧侶へお渡しするお礼のお金のことをいいます。
あくまでもお礼であって、読経や戒名をつけたことへの対価ではないので、読経代や戒名代とはいいません。身内の葬儀や法要の際に、僧侶へのお布施が必要になり、慌てた経験がある方も多いのではないでしょうか。今回はそんなお布施について詳しくご説明します。お布施の包み方
宗派の違い
浄土宗のご葬儀
浄土宗とはそもそも宗派の一つであり、「南無阿弥陀仏(むあみだぶつ)と念仏を唱えたものは、必ず極楽浄土へ往生できる」といった法然上人の教えを拠り所としています。葬儀はその拠り所を頼りに執り行われることとなるのです。また、浄土宗は行と徳を積み、深い境地に達した僧に対して執り行われる「尊宿」の葬儀法と、修行半ばで亡くなってしまい尊宿までは到達できなかった「亡僧」の葬儀法の2種類があります。浄土宗のご葬儀の詳細はこちら
浄土真宗のご葬儀
浄土真宗とは、鎌倉時代初期に僧である「親鸞」が、師からの教えを展開させた大乗仏教の宗派のひとつです。また、教えを展開していったのは親鸞ですが、「浄土真宗」として教団を展開していったのは親鸞ではなく、その弟子達となっています。浄土真宗には「僧侶でも肉食妻帯が許される」「戒律がない」などといったように、その他の宗教にはない特徴があるのです。そんな浄土真宗の葬儀では、「死者への供養ではない」という観点の元儀式が執り行われていくため、他の宗派の葬儀と内容が違ってくる部分があります。なにより、「引導」と「受戒」の儀式が無いという点は、他の宗派の葬儀と大きく異なるポイントといえるでしょう。浄土真宗のご葬儀の詳細はこちら
真言宗のご葬儀
真言宗(しんごんしゅう)とは9世紀初頭に空海(弘法大師)によって開かれた日本仏教の一つであり、その宗派は「密教」に分類されます。真言宗は日本で唯一の純粋な密教であり、葬儀に関しましても、その他の宗派とは違ってくる点がありますので注意が必要です。真言宗のご葬儀の詳細はこちら
曹洞宗のご葬儀
曹洞宗とは、前述の通り中国の禅宗五家の1つにあたります。また、日本仏教においては禅宗に分けられ、本山は永平寺(福井県)・總持寺(横浜市鶴見区)が該当します。日本における曹洞宗は、鎌倉時代から始まったとされており「正伝の仏法」を伝統とし、受け継いでいます。そんな曹洞宗における葬儀では、死後に釈迦の弟子となるための「戒名」や「戒法」を授かるための『授戒』と、悟りを開き、仏の道へと導くための『引導』に重きを置いている点が特徴的です。曹洞宗のご葬儀の詳細はこちら
天台宗のご葬儀
天台宗は、平安時代初期に日本に伝えられた大乗仏教の宗派のひとつです。 入唐した最澄(伝教大師)によって広められた天台宗は、その後多くの宗旨がここから展開されていったといわれています。そんな天台宗の葬儀では、「授戒」と「引導」を中心に進行していき、故人と遺族が共に仏道をいけることを目的とし、執り行っていきます。天台宗のご葬儀の詳細はこちら
日蓮宗のご葬儀
日蓮宗とは、鎌倉時代中期に「日蓮聖人」によって興された仏教の宗旨の一つであり、「日蓮法華宗」や「法華宗」などとも呼ばれます。鎌倉時代に疫病や天災が相次いで起こった際に、日蓮聖人が「法華経」をもって人々を救おうとしたことに始まり、1274年に入山、同年の6月17日が身延山開闢(かいびゃく)の日と定められています。そんな日蓮宗では「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の題目を唱える事が何より重要な修行と位置づけられているため、葬儀でも頻繁に唱えられる機会が多いのが特徴的です。日蓮宗のご葬儀の詳細はこちら
費用・プランのご案内
家族葬
家族葬とは、家族などの親近者や親しい友人など小規模に行う葬儀のことを言います。家族葬を行うにあたり、親族はどれくらいの範囲まで声をかけるべきか悩む人も多いでしょう。一般的な親族の範囲や葬儀の流れ、相場などを紹介していきます。家族葬の詳細はこちら
直葬
直葬とは、通夜や告別式などを行わない火葬のみの葬儀です。少人数制で行うシンプルな葬儀形式となり、式典などを行わないことから遺族の負担が少なくなっています。直葬の流れや、直葬を行う場合の相場やメリット・デメリットなど詳しく解説していきます。直葬の詳細はこちら
樹木葬
樹木葬とは、自然葬の1つで、墓石の代わりに花や木などの樹木を墓標とする形式のお墓です。納骨の方法が多様化しており、1999年より行われるようになりました。自然に囲まれて眠ることのできる樹木葬は、エコや自然に還るといった考え方を尊重することのできる埋葬方法です。樹木葬はどのような流れで埋葬され、どのようなメリットやデリットがあるのでしょうか?近年注目されている樹木葬について詳しく見ていきましょう。樹木葬の詳細はこちら
海洋葬
海洋葬とは、遺骨を自然に還す「自然葬」の中の1つで、海へ散骨する葬送方法です。故人の遺志によって自然に還したり、海が好きだからといった理由、また事情があり墓を持つことができない場合などにも利用されています。海洋葬を行う際の流れや相場など詳しく解説していきます。海洋葬の詳細はこちら
法要の違い
一周忌
故人が亡くなって満一年目の祥月命日に行うのが「一周忌」です。法要にも様々な種類が有りますが、初七日や四十九日といった法要は「忌日法要」となります。こちらは7日間や7週間といった「7」単位で行うものです。忌日法要が終わると、今度は年単位での「年忌法要」が始まります。年忌法要は、満1年目に行われる「一周忌」、満2年目(一周忌の翌年)に行われる「三回忌」、満6年目に行われる「七回忌」という具合に続いて行きます。一周忌は、この年忌法要のスタートですから、とても重要なものと言えるでしょう。そのポイントをお知らせします。一周忌の詳細はこちら
三回忌
「再来年だから、少し時間がある」なんて誤解をしている方もいらっしゃいますが、間違えやすいので要注意です。一周忌は故人が亡くなった翌年ですが、三回忌は亡くなってから翌々年、つまり一周忌の翌年に行われるのです。これは数え方が違うから。三回忌や七回忌といった「回忌」は、「満」ではなく「数え」でカウントします。一周忌と三回忌の間に一年あると思っていると大変です。注意しましょう。三回忌の詳細はこちら
七回忌
故人が亡くなってから満6年目に行うのが七回忌法要です。一般的にこの七回忌から法要の規模は縮小すると言われています。お寺に読経をお願いすることも少なくなり、招待する人も身内に限定することが多いようです。ただし、七回忌でもう一度故人の知人などを招待して法要を行い、区切りを付けるという習慣がある地域もありますので、親戚や地域のことに詳しい葬儀社に事前相談をして下さい。七回忌の詳細はこちら
十三回忌
十三回忌はささやかなものとなる場合が多いのです。身内だけで行う場合は、格式ばった招待状は不必要と言えるでしょう。菩提寺との日程調整が付いたなら、できるだけ早い段階で電話連絡などで済ませてもOKです。ただし口約束で不安な場合は、葉書や電子メールなど記録の残すものを送るとか、法要近くなったら改めて電話確認するなど工夫が必要かも知れません。十三回忌の詳細はこちら
十七回忌
亡くなられてから満16年目に行う法要を十七回忌と言います。最近では十三回忌の法要までは正式に行いますが、十七回忌以降の法要はカットしてしまい、三十三回忌まで法要は行わない場合も増えてきたようです。ただし近年この十七回忌で「弔い上げ」をされる方も出てきたとか。どうしてでしょうか?十七回忌の詳細はこちら
二十三回忌
二十三回忌とは、亡くなってから満22年目の祥月命日に行う法要のことです。この時期になると、僧侶を招かずに家族だけで法要をいとなむことも多いと言われています。ただし、この二十三回忌法要は場合によっては注意が必要な場合もあるのです。ご存知ですか?二十三回忌の詳細はこちら
二十七回忌
一般に三十三回忌法要が「弔い上げ」とも言われているため、二十七回忌はその三十三回忌の一つ前の法要となります。亡くなられてから満26年目に行われるこの法要は、近年省略されることも珍しく無くなってきました。遺族だけが参列する事も多いと言える二十七回忌法要とは、どうすれば良いのでしょうか。二十七回忌の詳細はこちら
弔い上げの三十三回忌
三十三回忌と言えば「弔い上げ」といって、一区切りをつけて最後の法要とすることが多くなりました。仏教の場合は、亡くなって32年経つと全ての方の生きている間に行った罪が無罪放免となり、極楽浄土に行けると言われているのです。つまり三十三回忌とは、故人が極楽浄土に旅立つ大切な儀式とも言えますので、このタイミングで弔い上げを希望する遺族も多いのでしょう。そんなことから(地域や宗派にもよりますが)他の年忌法要と比べて、三十三回忌は盛大となる傾向にあります。弔い上げの三十三回忌の詳細はこちら
三十七回忌
三十七回忌とは耳慣れない法要かも知れません。これは故人が亡くなってから、丸36年経った時に行われる法要なのですが、実はその前に行われる三十三回忌が「弔い上げ」と言って、最後の法要とする遺族や宗派が多いのです。三十三回忌で弔い上げをしなかった場合でも、三十七回忌は省略されることも多く、この法要を行う遺族は少ないと言って良いでしょう。三十七回忌とは、弔い上げをその後の法要で行うための通過点の法要とも言えるのです。三十七回忌の詳細はこちら
五十回忌
五十回忌とは、故人が亡くなってから満49年目の祥月命日に行なわれる法要のことです。一般的には三十三回忌で弔い上げをして、その後の法要は止めると言われていますが、五十回忌を行う場合は、三十三回忌で弔い上げをせず、その後三十七回忌、四十三回忌、四十七回忌などを経て、五十回忌となるのです。三十三回忌で弔い上げを行わなかった場合は、この五十回忌をもって弔い上げとなるといっても良いでしょう。五十回忌の詳細はこちら
遠忌
遠忌(おんき)とは、五十回忌や百回忌など没後に長い期間を経て行われる年忌法要です。近年では五十回忌をもって「弔い上げ」を行うのがほとんどとなっているため、一般の方が行われる法要としては、あまりポピュラーではありませんし、最近行われることは少なくなってきていると言っても良いでしょう。 ただし仏教関係では、とり行われることも珍しくないのです。どんな場合でしょうか?遠忌の詳細はこちら